eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)はスポーツなのか単なるゲームなのか論争に終止符!?

eスポーツはスポーツなのか?

教育関係者やスポーツ関係者、eスポーツを指示する企業・団体、ファンなどが独自の見解を繰り広げている『eスポーツはスポーツなのか論争』ですが、eスポーツはスポーツなのでしょうか?

エレクトロニック・スポーツ

エレクトロニック・スポーツ(以下、eスポーツと呼ぶ)は、コンピュータゲーム(テレビゲーム)をスポーツ・競技として捉える際の名称です。

以前までは、eSports、e-Sports、eスポーツ、イースポーツ、電子競技(でんしきょうぎ)、電競(でんきょう)など、呼び名・表記に決まりがありませんでしたが、2017年にフロリダで開かれた2017 American Copy Editors Society conventionにて、AP通信が、今後は「esports」で統一することを発表したのを境に、呼び名・表記が統一されました。

※当サイトでは日本で最も使われている『eスポーツ』と呼びます。

eスポーツの注目度は年々高まっており、2024年のパリ五輪での採用が検討されていることが報じられ話題なりました。

eスポーツはスポーツなのか論争

教育関係者やスポーツ関係者、eスポーツを指示する企業・団体、ファンなどが独自の見解を繰り広げています。

教育関係者は娯楽的な要素が圧倒的に強いため、依存症など子供がゲームによって受ける悪影響を危惧しており、教育上相応しくないという考え方が根強く、自らが苦しい練習を耐え抜き競技に取り組んだスポーツ関係者は、テレビゲームをスポーツと認めることに強い抵抗感があるようです。

世間一般の意見としても、eスポーツの知名度が高まり大会が盛り上がることは知っているが、部屋に籠って一人でゲームをしているのをスポーツと言うのは少し違和感を感じるという意見が大半です。

世界でも同様の意見はありますが、日本は世界と比較してもeスポーツをスポーツと認めないという意見が圧倒的に多いようです。

一方で、ゲームファンの若者からは、時代遅れ、時代の変化に伴いスポーツの定義を見直すべきといった声が聞かれます。

たしかに時代と共に物事に対する価値観、考え方は変わるため、これまでの固定概念を見直すことは大切なことです。

しかし、現時点で『eスポーツがスポーツなのか』という疑問と『時代の変化に伴いスポーツの定義を見直すべき』という意見・要望は全く別の問題であり、必要だというのであれば、別々に論じる問題だからです。

eスポーツがスポーツかどうかということは、実はとても単純なことで、eスポーツが現時点のスポーツの定義に当てはまっているか否かで判断すればいいだけの問題なのです。

スポーツの定義

野球やサッカーなど勝敗を競う球技、記録を競う陸上競技から芸術性を競うフィギアスケート、格闘技からダンスまで、一括りにスポーツと呼んでいますが、スポーツの定義は研究者の間で「学者の数だけある」といわれているます。

【国際スポーツ体育協議会】
1964年東京オリンピックの際に「プレイの性格を持ち、自己または他人との競争、あるいは自然の障害との対決を含む運動はすべてスポーツである」と定義しています。
【フランスの学者ベルナール・ジレ】
一つの運動をスポーツと認めるために、われわれは三つの要素、即ち、遊戯、闘争、およびはげしい肉体活動を要求する」といっています。
【広辞苑第六版】
陸上競技、野球、テニス、水泳、ボートレースなどから登山、狩猟にいたるまで、遊戯・競争・肉体的鍛練の要素を含む身体運動の総称と定義しています。
【大辞林第三版】
余暇活動・競技・体力づくりとして行う身体運動。陸上競技・水泳・各種球技・スキー・スケート・登山などの総称と定義しています。

共通していることは、スポーツは肉体的・身体的活動の要素を含む運動が条件であると解釈することができます。

eスポーツは遊戯であり余暇活動であり競争・対決要素を持っていますが、肉体的・身体的活動の要素を含む運動とはいえません。

これらのから判断するに、eスポーツはスポーツではないという結論に至ります。

しかし、先ほどもいいましたが、「スポーツの定義は学者の数だけある」といわれています。

実際に、固定概念を取り払い新しい考えを柔軟に取り入れ時代に沿った考え方も広まりつつあります。

ポーカーなどのカードゲーム・ボードゲーム・チェスなどをマインドスポーツと呼び、バイクや車のレースをモータースポーツと呼んでいます。他にも魚釣りの手法によってスポーツフィッシングと呼ばれるものもあります

これらは肉体的・身体的活動の要素を含む運動ではありませんが、既に世間に幅広く認知されていさす。

eスポーツも今以上に認知されるようになれば、eスポーツというジャンルの新たなスポーツカテゴリが確立するかもしれませんが、万人に理解され、受け入れられるのはかなり先になると思われます。